クェーサーの謎 宇宙でもっともミステリアスな天体 レビュー

2019-05-16

クェーサーというと何を思い浮かべますか?私は☆11です。

最近はプログラミング関連、投資、生活の本しか読んでないなぁ……と思っていたところ、たまたまこの本がAmazonのセールに入っていました。クェーサーが何かは全く知りませんでしたが、宇宙の本なら面白いだろうという雑な考えで購入しました。

総評: +1 (オススメ)

説明が丁寧で、前提知識が無くても面白さを理解することができました。 ともすれば退屈になりがちな現象の説明ですが、ちょいちょい入る「 宇宙、デカいやろ? 」的なドヤりが退屈を和らげてくれます。 「宇宙の話が何となく好き」で「クェーサーは知らない」という人に向いた一冊だと思います。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01E56BUHG/esplo06-22/

概要

謎の天体、クェーサーについての説明が主題です。現時点での研究成果を、天文学の歴史からストーリー仕立てで説明しています。

総じて 宇宙が好きな人が書いたんだなぁ 、という印象を受ける作品です。(天文学者なので当然ですが、好き度合いが文中から滲み出ているように感じます)。ちょこちょこ話が脱線するのもご愛嬌です。

良いところ

当然ながら、 クェーサーとは何かを学ぶ ことができます。名前は知っていても中身を知らない、数多の音ゲーマーとは一線を画す存在になれること請け合いです。

また、 宇宙のスケールの大きさ を改めて感じられる話が多く存在し、ワクワクを感じることができます。例えば、「めっちゃ速いガスの速度は1万kmやで」「えー、チョー速いー。時速100kmの車100個分ジャーン」「せやろ。まぁ 秒速 なんやけどな」「(卒倒)」といった意味のない会話は無く、しれっと「秒速1万kmものスピードで高速運動するガスが……」と書かれており、まさに天文学的数字が飛び交う本になっています。

さらに、読み物として面白く、時に脱線、時に深掘りをしつつ クェーサーの謎に迫ってゆく という構成になっています。周辺知識も付きながら読み進められるため、好奇心を満たすにはもってこいな本です。

良くないところ

非常に分かりやすく噛み砕いていると思われますが、それでも内容は難しい箇所が多いです。天文初心者がサラッと読んだだけでは、雰囲気で理解することしかできませんでした。中途半端に間違った内容で説明されるより断然良いですが、 何となく消化不良 な感じがします。雰囲気の本なのか、しっかりした本なのかが謎でターゲット層が分かりにくいため、最初に少し出てくる数式で挫折する人がいないことを祈るのみです。

まとめ

分かりやすい本なのか分かりにくい本なのかが分からない、という謎に満ちた本ですが、 内容は好奇心を呼び起こし、文章も構成もクオリティの高い宇宙本 だと言えるでしょう。恐らく、にわか宇宙ファンが読むと一番学びがあります。ガチ宇宙ファンの人はどう感じたのか感想ください。

それにしても宇宙は大きいですね。太陽質量の100万倍とかいう数字がしれっと出てきたりと、なんとも 現実味が無いですが現実 なようです。ロマンが溢れているので現実に疲れた時に読み返したいです。

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