ぷるぷるした直方体

元職業エンジニアの雑記です

VIXのPutオプションによるイベントトレード

短期間で高収益、かつ比較的安全な手法として、VIXを利用した取引ルールを作ってみました。 10月中に試したところ中々良さそうだったので、この記事にまとめておきます。 精神的に優しいので初心者向けの手法と言えるでしょう。

なお、オプションを理解している必要があるため、あまり詳しくない方は調べてつつ読んでみてください。 また、取引にはIB証券などの米国証券口座が必要です。

VIXとは

VIXはやや特殊なインデックスで、慣用的には相場参加者の考える不安定さが値になっていると言えます。 より正確には「今後の30日間で予想される、オプションマーケットから割り出したS&P 500の年間変動率」だったかと思いますが、今回は関係ないので省きます。

VIX - Wikipedia

さて、VIXは大体の時期で一定して低いという特徴を持ちます。昨今であれば、20以下が通常営業といったところでしょうか。 そして、米国株が急落するとポ~ンと上がり、しばらくすると戻ってきます。この世の終わりみたいな相場では、40を超えて中々戻ってこないこともありました。 なお、急騰しても上がりますが、急落ほどではないです。民意が反映されているのか、変動率だからかはわかりません……いずれ調べたいところ。

VIX 1年 VIX 5年

(画像はYahoo Finance: https://finance.yahoo.com/quote/%5EVIX/ より)

ちなみに、そのVIXの価格は一日で10%動くのがザラです。 大急落が起きて20 -> 30になったとすると150%の変動ですね。 ストップ安なんて概念は無いので、いくらでも動けます。

VIXを使った取引手法

このようなグラフを見ると、下記の戦略が浮かぶかと思います。

  1. 低い時に買って、上がったら売る
  2. 高い時に売って、下がったら買い戻す

ですが、1はオススメできず、2も普通に取引すると中々厄介です。

「低い時に買って、上がったら売る」手法の問題点

まず、VIXは実体がないインデックスなので、保有してずっと持っておくということができません。 取引する時は先物なので、必ずロールオーバーコストが発生します。 いつ上がるかは分からないので、ひたすらコストを払い続けることになります。 さらに、毎月ロールオーバーする手間がかかります。

また、長期間保有する場合、その資金は塩漬けです。 米ドルの金利が高い中、資金を先物にしてひたすら待つのは辛いものがありますね。

「高い時に売って、下がったら買い戻す」手法

一方、こちらは下がる時期が比較的読みやすいという利点があります。 相場が崩壊していなければ、通常1週間もあればどこかで元の水準に戻ってきます。

ですが、先物を売って十分な利益を出すと考えると、常にロスカットの危険があります。 仮に20で売って1か月後に15になったとしても、その間に30になったら資金がショートする可能性が高いです。 そして、過去の例を見ると40になってもおかしくはありません。 さらに悪いことに、取引時間外によく動くので逆指値を設定していても遥か遠くで約定することが多いです。

例えば、1枚(1000単位)売ると20*1000=20K必要です(実際は証拠金取引なので減りますが)。 VIX価格が-5になれば5K増えてヤッターとなりますが、+10になったら-10Kです。 この例では、取りたいポジションの1.5倍の資金(30K)を用意していないと退場でした。

Putオプションを使った手法

という訳で、こんな時のためのオプションです。 Putを買うことで、保険料を支払う代わりに安全を手に入れてみます。

具体的なルールは以下です。

  1. VIXが25を超えたらオプション価格を見る
  2. 期日が1か月以上で、Putオプション購入の損益分岐点が20.0以上の時に買う
  3. 利確する値を最初に決める
  4. 1週間前で同値撤退 or 利確をする
  5. 損切りは1週間前のどこかで行う

シンプルですね。

ぷるさんはVIXが25以上になったので、VIXのオプションを漁りました。 すると、33日後の26 PUTが$6.0だったので、これを10単位買いました。 VIXが15になったら利確するように設定し、就寝しました。

(1) 20日後、VIXが15になったので決済しました。Deep ITMなので、時間価値は剥げて利益はほぼ5 * 1000 = 5Kでした。 (2) 20日後、VIXが22になりました。ATMなので、時間価値が加わり同値撤退ができました。

メリット

一番のメリットは、損失が限定されることです。 当然ですが、最初に支払ったプレミアム以上の損失は生まれません。 これは資金管理を楽にし、かつ身の丈にあったポジションを取る助けになります。

次に、撤退が楽という初心者に優しい仕様になっています。 仮に期日の近くでVIXがストライク近くになると、持っているオプションはITMになり、時間価格が多く加わるため損失が抑えられます。 同値撤退が非常にしやすく、心が休まります。

最後に、利幅が分かりやすいのも良いです。 購入時に「VIXが15になったら利確」と決めやすいので、最終利益も最悪時の損失もわかり、リスク・リワード比を考えたトレードができます。

なお、オプション取引で心配になる板の薄さですが、アービトラージかマーケットメイクかのbotがいるかしてVIXは異常に板が厚いです。おおよその時間でスプレッドは0.1(最小単位)でしょう。

デメリット

このようなメリットはあるものの、当然デメリットがあります。

とにかくプレミアムが高いです。 VIXが高いということはIVが高いので、必然的に高いプレミアムを払うことになります。 また、安全性を上げるためある程度の日数が必要なので、時間価値も加わってきます。 これら二重苦が期待値を下げてきます。

そして、何より機会が限られることが問題です。 1年に1回あればいいか……というルールなので、この収益を当てにして暮らすことはできません。

まとめ

安全性と収益性の高いトレードを行うため、VIXのPutオプションを購入するルールを作りました。 機会は非常に少ないですが、資金拘束も短時間であり急落相場で収益機会を作れるので、検討する価値はあるのではないでしょうか。